皆様お久しぶりです。そしてはじめましての皆様こんにちは。私、ジョージ先生(@GeorgeSAteacher)と申します。
※私はX(旧Twitter)・Instagram・note・Kindle本で情報発信をしている高校教師です。
今回のテーマは『風の仕組み』です。
早速本題に入っていこうかと思います。
それでは今日も結論から参りましょう!
風を理解する≒地理を理解する
なぜ風の仕組みを理解する必要があるのか?
今日は地理の中でも最重要項目である『風』についてやっていきたいと思います。
地理において風が重要である理由、皆さんは分かりますか?
風が重要な理由は以下の通りです。
・風を学ぶことで気圧の原理を学ぶことができる
・気圧が環境(気候)に与える影響が大きい
風は『気圧』の概念を学ぶことができる唯一の単元であり、この『気圧』が地理を考えていく上でかなーり大事になってくるんですよね。
気圧がきちんと理解できれば、降水の理論も分かるようになるし、何よりケッペンの気候区分がきちんと理解できるようになります。
ケッペンの気候区分を完璧に理解してしまえば、地理の半分はマスターしたと言っていいと思います。
そんな地理の根幹を支えている風(気圧)という概念を今日の記事でしっかりとマスターしていきましょう!
そもそも風ってどのように発生するの?
それでは最初のステップ、風が発生する仕組みについて解説していきましょう。
Point
風は高気圧から低気圧に向かって流れる空気の流れの事を言う
風の仕組みを理解する上でまず覚えなくてはいけないのが『気圧』です。
まずは高気圧から説明していきましょう!
高気圧とは
まずは高気圧の説明です。
高気圧とは書いて字のごとく、『気圧が高い状態』を示します。
それではこちらの図をご覧ください。
こちらの図をみると空気には質量があり、上から空気の塊が人を押しているのがわかるかと思います。
空気に押されているという実感は湧かないと思いますが。。。
ですが、実際には高気圧帯(高気圧の場所)では上から空気に押されているという状況なんです。
ではどのような場面だと高気圧になるのか?
それが空気が冷やされる時です。
冷やされると空気の質量が増え(重くなり)、空気は上から下へ落ちてくるようになります。
この上から下に流れる空気の動きを下降気流と言います。
そして覚えておきたい高気圧におけるポイントがもう1つあります。
それが「乾燥」です。
雨が降るには雲が発生しないといけません。
曇ってどうやってできるか、みなさん覚えているでしょうか。
以前の熱帯編で降水に関する解説をしているので、降水のメカニズムを忘れている人は再度確認をしてみてください。
雲の発生は空気が温められるところからスタートするんでしたよね!
つまり冷やされることが前提の下降気流では雲が発生することがないのです。
雲が発生しないのであれば、当然雨は降りません。
だから乾燥するのです。
今後の大事なポイントになるので覚えておきましょう!
POINT 寒いところは空気の質量が増え、下降気流が発生し、高気圧帯を形成する。
POINT 下降気流(高気圧)では雲が発生しないので、雨が降らない(=乾燥する)
低気圧とは
それでは逆の低気圧について解説していきましょう!
それでは先ほどとは対照的なこちらの図をご覧ください。
この図をみると空気が上から下ではなく、下から上へ動いていくのが分かるかと思います。
これを上昇気流と言います。
ではどのような場面だと上昇気流が発生し、低気圧帯を形成するのか。
それが空気が温められる時です。
空気が温められると質量が軽くなり、下から上へ空気の塊が移動(=上昇気流)していきます。
この原則をしっかりと覚えておきましょう!
そして忘れてはいけない低気圧のもう1つの特徴を確認しましょう!
それが「降水」です。
先ほど高気圧のところで雲の発生について学びましたね。
雲はどうやって発生するんでしたっけ?
そう!空気が温められた時に雲は発生するんですよね!
これって低気圧の特徴と一緒ですね。
つまり低気圧は空気が温められることで雲が発生し、雨が降りやすいということなのです。
大事なポイントなのでしっかりと覚えておきましょう!
POINT 暖かいところは空気の質量が軽くなり、上昇気流が発生して低気圧帯を形成する
POINT 温められた空気が上昇すると雲が発生し、低気圧帯では降水をもたらす
風の流れ〜高気圧帯から低気圧帯へ吹く〜
高気圧と低気圧はそれぞれ理解できたでしょうか?
それでは次のステップへ進みましょう。
気圧には高気圧と低気圧の2種類があることはわかりましたね。
では実際に風はどのように吹くのでしょう。以下の図をご覧ください。
このようにして風は必ず高気圧側から低気圧側に向かって吹きます!
しっかりとメカニズムを理解しましょう!
風の仕組み
POINT 上昇気流によって温められた空気が上空で冷やされる
POINT 冷やされた空気が下降気流となって地上に降りてくる
POINT 高気圧から低気圧に向かって空気が移動する(=風)
大気大循環図を読みとく
風の仕組みは理解できたでしょうか。それでは本日のメインディッシュのお時間です。
どの教科書にも絶対載っている大気大循環図というものを勉強していきましょう!
順を追って説明します!ついてきてください!
とりあえずは説明の都合上、北半球のみで解説していきます!
(南半球は北半球をひっくり返すだけなので!)
熱帯収束帯(赤道低圧帯)
はじめに熱帯収束帯(赤道低圧帯)を学びます。
地球上で最も温まりやすい場所ってどこでしょう?
それは太陽光が直で当たる赤道付近ですよね。
特徴的な赤道付近の気圧を確認していきます!
赤道付近は太陽光が直撃するエリアなので当然空気は温められ、上昇気流が発生します!
簡単ですね!しっかりと覚えておきましょう!
亜熱帯高圧帯
次に学んでいくのが亜熱帯高圧帯です!
次の図をご覧ください!
まず熱帯収束帯で温められた空気は上空で冷やされます。
空気が冷やされるとどうなるんでしたっけ?
そう!下降気流となって地表に戻ってくるんでしたよね!
なので上の図で亜熱帯高圧帯と書かれたエリアは下降気流となるのです。
ちなみにこのエリアはどんな気候になっているか分かりますか?
上の図でも表されているように亜熱帯高圧帯のエリア(北アフリカ)では砂漠が広がる乾燥帯となっていますよね!
高気圧帯は乾燥するというポイントのおさらいもできちゃいましたね!
そしてもう1つ確認したいのが「風」です。
先ほど風は『高気圧から低気圧に向かって吹く』と説明しました。
上の図を確認するとどうでしょう。
しっかりと高気圧帯から低気圧に向かって貿易風という風が吹いていますよね!
風向きが少し傾いているのは地球の地軸が傾いているためです。
地軸が傾いているので風もそれに伴って東から西へ少し傾いて吹くことになります!
極高圧帯
熱帯収束帯〜亜熱帯高圧帯は赤道を中心に気圧と風を考えていきました。
先ほどは地球が1番温められるところの話から始まりましたので、お次は地球で最も冷やされるところの話をしていきたいと思います!
それが極高圧帯です!言うなれば最も太陽の光から遠ざかっているところですね!
下の図をご覧ください!
北極付近は太陽光がほとんど当たらないため、温まることはありません。
そのため、この極高圧帯は空気が冷え込むことで下降気流が発生するエリアとなります。
実にシンプルな話ですね!
亜寒帯低圧帯
次に考えていくのが亜寒帯低圧帯というエリアです。
亜寒帯低圧帯は極高圧帯で発生した下降気流によって風が吹き込み、上昇気流を発生させるエリアとなります。
下の図をご覧ください!
この図を見たら、極高圧帯から吹く極偏東風という風が流れ込んできているエリアだというのがわかるかと思います。
しつこいようですが、風は「高気圧から低気圧に向かって吹くもの」ですからね。
このエリアが低気圧帯になる理由がわかったでしょうか。
偏西風
それでは今までの気圧・風の流れを一枚の図にまとめてみましょう!
あくまで北半球のみですが、こんな様子になります。
これで北半球の気圧と風はバッチリだと思うじゃないですか。
1つだけ忘れているんです。
上の図の黄色エリアの風の存在を忘れていましたね。
それではこのエリアの風はどんな風が吹くでしょう。みなさん分かりますか?
風は高気圧から低気圧に向かって吹くんでしたよね。
なら、風向きは必然的にこうなります。
この風を偏西風と言います。
この風は上の3つの風の中で唯一西側から吹くという特徴があります。
なぜ偏西風だけが西側から風が吹くか説明できますか?
3種類の風をまとめてみるとこのようになります。
貿易風 → 亜熱帯高圧帯(北)から熱帯収束帯(南)に向かって吹く風
極偏東風 → 極高圧帯(北)から亜寒帯低圧帯(南)に向かって吹く風
偏西風 → 亜熱帯高圧帯(南)から亜寒帯低圧帯(北)に向かって吹く風
このようにまとめると分かりやすいですよね。
3種類の風の中で偏西風のみが南側から北側に向かって吹く風となっているのです。
だから他2つが東側から風が吹くのに対して、偏西風だけ逆の西側から吹くというわけです。
しっかりとこの大気大循環図のメカニズムを理解していきましょう!
まとめ
風は高気圧から低気圧に向かって吹く
高気圧帯の特徴は下降気流と乾燥
低気圧の特徴は上昇気流と降水
大気大循環図のメカニズムをしっかりと理解することが大事
風と気圧は今後の気候を勉強していく上で本当に大切な要素となります。
今回の記事は何度も見返してカンペキに風を理解して欲しいなと思います!!!
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自己紹介 好奇心旺盛な社会科教師