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季節風の仕組みを理解する

地歴

皆様お久しぶりです。そしてはじめましての皆様こんにちは。私、ジョージ先生(@GeorgeSAteacher)と申します。

※私はX(旧Twitter)InstagramnoteKindle本で情報発信をしている高校教師です。

今回のテーマは『季節風の仕組み』です。

早速本題に入っていこうかと思います。

季節によって風向きが変わるメカニズムを学ぼう

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季節風とは何か

まずは季節風について簡単に説明していきましょう。

一言でいうと季節風とは夏と冬で風向きが逆になる現象のことを言います。

基本的に風は一定の方向に向かって吹くものです。

このような風を恒常風といいます。

その代表例が偏西風です。

偏西風は1年を通して大陸の西側から東にかけて吹く風でしたね。

しかし、季節風は夏と冬で風向きが変わってしまうのです。

この原因を今から解説していきます。

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季節風が吹く仕組み

なぜ夏と冬で風向きが変わってしまうのか。

そのヒントは気圧の変化にあります。

気圧については以下の記事に詳しく書いてありますので、まだ読んでいない、もしくは忘れてしまったという方はまず読んでいただけたらと思います。

そして季節風のメカニズムを理解する上でもう1つ大事になってくる要素があります。

それが陸と海の比熱の違いです。

以下の記事に詳細をまとめていますので、記事をご覧になってから続きの説明を見てください!

では説明をしていきます。

まず風の復習です。

風は高気圧と低気圧のどちらから吹くものでしたっけ?

風は高気圧から低気圧に吹くんでしたよね!

高気圧は上空の空気が冷え込むことで下降気流を発生させるんでしたね。

そして低気圧は地上の空気が温められることで上昇気流を発生させるということを大気大循環の記事で学んだかと思います。

それでは夏の様子から見ていきましょう。

夏の風向き

ポイントは2点あります。

まず陸が温められやすいという性質を持っているという点です。

大陸性気候で学びましたね。

そのため、ただでさえ気温が高い夏では陸の性質も相まって地表の空気が急激に温められます。

空気が温められるとどうなるんでしたっけ?

そう。上昇気流を発生させるんでしたよね。

これが2つ目のポイントです。

それがわかればあとは確認です。

陸に対して海側は下降気流が発生する高気圧帯となります。

風はどっちからどっちへ吹くんでしたっけ?

高気圧から低気圧に向かって吹くんでしたよね。

だから夏では高気圧帯を形成する海から低気圧帯の陸に向かって風が吹くんです。

しっかりとメカニズムを理解しましょうね。

それでは次は冬の場合を確認していきましょう。

冬の場合

ここでもポイントは2つあります。

まず陸が冷えやすいという性質を持っている点に注目です。

陸は熱しやすいだけではなく、冷えやすいという正反対の特徴もありましたね。

ただでさえ冷え込む冬に陸の冷えやすいという性質が加わると、大陸上の空気はとても冷え切ってしまいます。

これだと空気が温まることで生じる上昇気流は発生しづらいですよね。

そのため冬の大陸部分は下降気流が発生するのです。

これが2つ目のポイントです。

陸とは対照的に冷えづらいという特徴の海は冬でも冷え切ることがありません。

そのため、冬の場合は海側で上昇気流が発生し、低気圧を形成します。

しつこいようですが確認です。

風は高気圧から低気圧に向かって吹きます。

そのため冬では高気圧帯を形成する陸から低気圧帯を形成する海へ向かって吹くのです。

夏の時と風向きが反対になっているのがわかりますか?

以上の内容を踏まえると陸と海の比熱の違いが気圧の変化をもたらしていることが分かるかと思います。

しっかりと仕組みを理解していきましょうね。

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なぜ季節風はユーラシア大陸の東側で顕著なのか?

季節によって風向きが変わる季節風の仕組みは理解できたでしょうか?

では今からもう一歩踏み込んだ内容について触れていきたいと思います。

それが「なぜ季節風はユーラシア大陸の東側で顕著なのか」についてです。

裏を返すとユーラシア大陸西側では季節風はあまり吹かないと言えますね。

その理由は大きく2点あります。

それはユーラシア大陸西側は気温差が生じづらいという点と偏西風の影響が強いという点です。

それぞれ確認していきましょう。

まずはユーラシア大陸の夏の場合を考えます。

ここでのポイントは緯度と暖流です。

先ほど同様、ユーラシア大陸西側も陸の温まりやすいという性質は変わりません。

ですが、ヨーロッパは緯度が高く、太陽の光が届きづらいため、比較的温まりづらい地域であると言えます。

海側についても触れておきましょう。

ユーラシア大陸西側では北大西洋海流という暖流が流れており、この影響で高緯度であっても比較的暖かい空気が海上には流れています。

ユーラシア大陸の東側と比べて西側では、低気圧側(陸)は温まりづらく、高気圧側(海)は冷えづらいという状況であると言えます。

つまりユーラシア大陸西側は、陸(低気圧)と海(高気圧)の気温差があまりないのが特徴であると言えるのです。

ここで風の大前提をおさらいしておきます。

基本的に風は高気圧帯と低気圧帯の差(気温差)が少ないところでは発生しづらいんです。

季節風は高気圧と低気圧の大きな気温差のもと吹く風です。

なんと言ったって夏と冬で風向きが逆になるくらいですからね。

気温差が発生しづらいユーラシア大陸西側では季節風が吹かない理由がわかったでしょうか?

冬の場合もみていきましょう。

冬は陸が冷え込むという特徴を持つため、大陸部分は急激に冷え込む傾向があります。

しかし、ユーラシア大陸西側はそこまで大きく冷え込むことはありません。

なぜならユーラシア大陸西側は海の比熱(冷えづらい)の影響を強く受けるからです。

ユーラシア大陸西側に広がる海上には偏西風を遮るものがありません。

そのため、海の冷えづらいという性質を偏西風が大陸へもたらしてくれるのです。

何より、ユーラシア大陸西側には北大西洋海流という暖流が流れています。

この暖流の影響もあり、大陸部分でも比較的海に近いエリアでは陸であっても冷えづらくなるというわけです。

ユーラシア大陸西側の海側は言わずもがな冷えづらい海の性質&暖流なので冬であっても大きく冷え込むことはありません。

やはりユーラシア大陸西側の冬も海(低気圧側)と陸(高気圧側)で大きく気温差が生じないことがわかったと思います。

だから季節風が発生しないのです。

まとめ

季節風の仕組みをしっかりと理解できたでしょうか。

季節風をしっかりと理解できると海と陸の比熱の違いや西海岸と東海岸の特徴の違いなど様々な分野も同時に理解することができるので、一石二鳥の学びでお得感がありますね!

今日も最後まで記事を読んでくださりありがとうございます!

それではまた!

※2023年1月に自身初のKindle本『教師という天職』を執筆いたしました!

教員なりたての頃、さまざまなことに悩み、ハードワークを強いられていた私の考え方・取り組み方・働き方がどのように変わっていき今に至るのかをまとめています。

教員にとってもっと楽な生き方・働き方があるんじゃないかと思い、執筆に取り掛かりました。

現在、教員として悩みながら仕事をしている先生や、少しでも教員を目指そうと考えている学生に読んでもらえたらなと思います。

少しでも多くの方の役に立てば幸いです!

自己紹介 好奇心旺盛な社会科教師

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