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乾燥帯の生活

地歴

皆様お久しぶりです。そしてはじめましての皆様こんにちは。私、ジョージ先生(@GeorgeSAteacher)と申します。

※私はX(旧Twitter)InstagramnoteKindle本で情報発信をしている高校教師です。

今回のテーマは『乾燥帯』です。

早速本題に入っていこうかと思います。

乾燥帯の特徴をしっかりと理解しよう!

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乾燥帯とは

みなさんは乾燥帯と聞いたらどんなものをイメージしますか?

おそらく砂漠をイメージするのではないでしょうか?

そしてイメージする砂漠はこんな感じじゃないですか?

これは書いて字の如く砂砂漠というものなのですが、乾燥帯の中で考えるとこの砂砂漠って割合としては実は少なかったりします。

それではこちらの画像をご覧ください。

こちらも同じく乾燥エリアとなります。

でもさっき見た砂砂漠とは少し様子が異なりますよね。

砂砂漠はサラサラしていましたが、全体的にちょっとゴツゴツしている印象だと思います。

このような砂漠を岩石砂漠といいます。

この岩石砂漠の方が砂砂漠よりも実は分布する割合が大きいです。

意外ですよね。

本題に戻りましょう!

乾燥帯の定義

まずは乾燥帯の定義からまとめていこうと思います。

乾燥帯とは降水量が少ないために植生がない環境下のこと

このように定義できると思います。

このあとでケッペンの気候区分を確認していくのですが、基本的にケッペンおじさんは植生(樹木が生えるか否か)を基準に気候を考えました。

そして植生がない(樹木が生えない)気候は5つのうち2つ存在します。

そのうちの1つが乾燥帯です。

乾燥帯(B)は極端に降水量が少ないから植生がない気候として区分されています。

※ちなみに植生がないもう1つの気候である寒帯(E)は極端な寒さが原因で植生がない気候となります。

それでは1つ質問です。

乾燥帯で降水量が少ないのはなぜでしょう???

今からその理由を解明していきましょう!

乾燥帯の分布について

まずは乾燥帯の分布について見ていきましょう!

こちらが乾燥帯の分布です。

なぜこの地域が乾燥するのか、その理由は気圧にあります。

気圧に関して、こちらの記事で詳しく解説をしているので、再確認をしてください。

この記事を見てもらえたら、なぜこのエリアが乾燥するのかがわかるかと思います。

簡単なおさらいをしましょう。

地上で温められた空気は上昇気流を発生させます。

そして上昇した空気は上空で冷やされて、下降気流となって地上に戻ってきますね。

上昇気流は雲を発生させて降水をもたらしますが、下降気流では雲が発生しないので雨が降らないのが特徴でした。

以前の記事にも掲載したこちらの画像をご覧ください。

せっかくなので南半球の分も追加で載せておきましょう!

どうでしょうか?

これを先ほどの平面図に置き換えるとこのようになります!

赤い部分が赤道、つまり低圧帯となります。

ここは太陽の光が集中することで、空気が温められて上昇気流が発生する地域でしたね。

上昇気流が発生するので当然、雲が発生し、それに伴って降水も多い地域でした。

そしてこの上昇した空気が上空で冷やされて、下降気流が発生する地域が赤道を挟んだ青色の地域(亜熱帯高圧帯)になります。

この図の青い部分と乾燥帯のエリアがバッチリ重なっているのがわかると思います。

これで答えが出ましたね。

なぜこのエリアが乾燥するのか、それは高気圧帯に位置するため、下降気流となり、雲ができないからでした!

※当然これが乾燥する理由の全てではなく、その他の地形的条件により乾燥するケースもあります。

※あくまで乾燥帯を形成する理由の主な要因くらいに考えておいてください。

次の話へ進みましょう!

乾燥帯にはもう1つ特徴があります。

それが日較差が大きいという特徴です。

なぜ乾燥帯の日較差が大きくなると思いますか?

それについて少しまとめていこうと思います。

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乾燥帯と日較差

まずは日較差という言葉の意味から説明していこうと思います。

日較差とは1日の気温差のことを意味します。

つまり日較差が大きいというのは1日の気温差が激しいということ。

日中は暑くて夜間が冷え込む環境と言い換えることもできますね!

この乾燥帯は日較差が大きい、つまり1日の気温差が激しいエリアなのですが、その理由についてまとめていこうと思います。

まず、日中の気温が高くなる理由から説明していきたいと思います。

乾燥帯の日中気温が高くなる理由は露出している陸地が大半を占めるからです。

以前、大陸性気候と海洋性気候についてまとめました。

忘れてしまった、またはまだ見ていないという人はこちらの記事をご覧ください。

こちらの記事を見たらわかると思いますが、海辺に比べて陸地はそもそも温まりやすいという特徴があります。

大半が陸地を占める乾燥帯であればこの温まりやすいという特徴が最大限発揮され、太陽の光をたくさん浴びた陸地部分が温まり、それに伴って日中の気温が上昇するという仕組みです。

では次に夜間に冷え込む理由についてまとめていきましょう。

これには放射冷却という仕組みが関係してきます。

放射冷却を簡単に図にしてみましたのでこちらをご覧ください。

地球は地表に集まった日中の太陽の熱を夜間に宇宙空間へ逃げていくように調節されています。

太陽の熱がずっと地表に残っていたら地球が暑くなりすぎてしまいますからね。

この日中に集まった地表の熱が夜間になると自然と熱が逃げていくことで地表付近が冷える現象を放射冷却というのです。

放射冷却について理解できたでしょうか。

この放射冷却ですが、実はあまり熱が上空へ逃げない(=夜間に冷え込まない)ケースがあります。

それが以下のようなケースです。

このように雲があったり、樹木があったりすると熱が上空へ逃げづらい状況となり、あまり冷え込まなくなります。

なぜ乾燥帯は夜間に冷え込むのか。

その答えがここにあります。

何度でも確認しますが、乾燥帯は高気圧帯に属します。

高気圧帯は下降気流が発達するエリアなので、基本的に雲は発生しません。

そして雲が発生しないことにより降水がなく、植生がない気候区分として分類されます。

つまり地表の熱を宇宙空間に送る際にブロックする(熱が逃げないようにする)役割を担う、樹木や雲がないのです。

逃げようとする熱を遮るものがないので、地表の熱はどんどん上空へ逃げていき、結果として地表付近の熱がなくなる(=夜間に冷え込む)という状況になってしまうのです。

しっかりと理屈を覚えるようにしましょう。

次の章では乾燥帯を形成するケッペンが区分した2つの気候について説明していきましょう!

この章のまとめ

この章のまとめ

乾燥帯は高気圧帯に位置する 

乾燥帯は降水量が少ないために植生がない気候に区分される

乾燥帯は日較差が大きい(日中は暑く、夜間は冷え込む)

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砂漠気候(BW)

まずはじめに紹介するのが砂漠気候です。

この地域は亜熱帯高圧帯の影響をもろに受ける地域であり、基本的に年中乾燥している(年間降水量250mm以下)地域となります。

どれだけ雨が降らないのかピンとこない人も多いと思うので日本と比較して考えてみましょう。

東京の12月の降水量は50mm程度だと言われています。

乾燥帯の代表格であるエジプトの首都カイロの年間降水量は35mm程度です。

東京は12月の降水量が50mmなのに対して、カイロは年間35mmの降水量である点に注目してください。

このように比較すると、乾燥帯がほとんど雨が降らないイメージがはっきりすると思います。

ではこのような乾燥帯の地域では全く水が手に入らないのかというとそういうわけではありません。

このような乾燥帯であっても川が流れている場所があります。

そのような川を外来河川と言います。

では外来河川についてまとめた以下の図をご覧ください。

こちらの図を見るとわかるように水源が降水量の多い地域(熱帯)や山岳地域にある川は乾燥帯でも流れることがあるのです。

【ナイル川】 

赤道付近で大量に降った雨で形成される

【ティグリス川/ユーフラテス川/インダス川】

山岳地帯に積もった氷河が溶けて川を形成する

そして乾燥帯に流れるこのような川の近くでは水を得られることから動植物が生息でき、オアシスという集落が発達します。

乾燥帯の中でも水を得られる場所って限られますからね。そのような場所は貴重なんです。

水を得られるオアシスのような場所では農業も行われています。

しっかりと覚えておきましょう!

ステップ気候(BS)

次に紹介するのはステップ気候となります。

ステップ気候とは基本的には降水量が少なく、乾燥しているけども夏季には降水量がやや多くなるエリアのことを言います。

夏季に雨が降るため、砂漠気候とは異なり、草木が育ちます。しかし、乾燥している期間も長いため、草木がぐんぐん育っていくことはありません。

そのためこの地域では草丈の短い草原が広がっています。

この草丈の短い草原のことをステップというのです。

ではなぜこの地域では夏季に降水量が多くなるのでしょうか?

その理由も気圧が関係しています。

こちらをご覧ください。

先ほど、見せた乾燥帯の平面図です。

熱帯収束帯(赤道付近)の南北に亜熱帯高圧帯が広がっており、この高圧帯の影響から雨が降らず、青丸で囲っているエリアは乾燥してしまうと説明をしました。

ですがこちらの図を見るとどうでしょう。

ガッツリ高圧帯の影響を受けるのは青色のエリアになります。

それに対して黄色のエリアは高圧帯の影響も受けますが、比較的赤道に近いのがこの図を見るとわかると思います。

つまりガッツリ高圧帯の影響を受ける青色のエリアと比べて、黄色のエリアは赤道に近く、低圧帯の影響を少しだけ受けるため比較的雨が降りやすい地域であるということがわかるかと思います。

ガッツリ高圧帯の影響を受ける青色のエリアが砂漠気候となり、赤道付近に近い黄色のエリアがステップ気候となります。

※地形によって細かな違いはありますが、大まかに説明すると上のような形になります。当然、例外もあるので、そこはご承知おきください。

しっかりと理屈とセットで覚えるようにしましょう!

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乾燥帯まとめ

乾燥帯のエリアはなぜ雨が降らないのか、しっかりと理解できたでしょうか。

今回の記事を何度も読み返し、しっかりと理屈を頭に叩き込んでくださいね。

・乾燥帯は亜熱帯高圧帯に位置する

・乾燥帯は日較差(昼と夜の温度差)が大きい

・赤道付近や山岳地帯を水源にもつ場合は砂漠気候であっても川が形成される

・乾燥帯の中でも比較的赤道に近いところはステップ気候となり、夏季に降水をもたらす

今日も最後まで記事を読んでくださりありがとうございます!

それではまた!

※2023年1月に自身初のKindle本『教師という天職』を執筆いたしました!

教員なりたての頃、さまざまなことに悩み、ハードワークを強いられていた私の考え方・取り組み方・働き方がどのように変わっていき今に至るのかをまとめています。

教員にとってもっと楽な生き方・働き方があるんじゃないかと思い、執筆に取り掛かりました。

現在、教員として悩みながら仕事をしている先生や、少しでも教員を目指そうと考えている学生に読んでもらえたらなと思います。

少しでも多くの方の役に立てば幸いです!

自己紹介 好奇心旺盛な社会科教師

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