皆様お久しぶりです。そしてはじめましての皆様こんにちは。私、ジョージ先生(@GeorgeSAteacher)と申します。
※私はX(旧Twitter)・Instagram・note・Kindle本で情報発信をしている高校教師です。
今回のテーマは『熱帯』です。
早速本題に入っていこうかと思います。
それでは今日も結論から参りましょう!
熱帯は暑いだけじゃない! 雨が多いのも特徴!
熱帯とはどんな場所か?
皆さんは熱帯ってどのようなイメージがありますか?
おそらく「暑いところ」というイメージがかなり強いのではないかと思います。
ざっくりとした熱帯の特徴を説明すると、『とにかく暑い』そして『降水量が多い』の2つ。
それではこの2つについて解説していきます。
なぜ熱帯は暑いのか?
この疑問は簡単に解決できます。
熱帯は主に赤道上に存在する気候区分です。(教科書で確認してみてください。)
赤道とはどのような場所でしたっけ?
赤道は太陽が通る道でした。その太陽が通る道上にあるのが熱帯です。
つまり赤道上に位置する熱帯という地域は常に太陽が当たり続けているところだと言うことができます。
太陽光が常に当たっていたら当然暑いですよね。
そして常に太陽が当たっているので1年中暑い(寒い時期がない)というのも熱帯の大きな特徴です。
なんとなくイメージできたでしょうか?
なぜ熱帯は降水量が多いのか?
次のクエスチョンは降水量についてです。
雨ってどんな仕組みで降るか、皆さんわかりますか?
少し理科っぽい話ですが、大事な話なのでしっかりと解説していきます!
順を追って説明していきましょう。
①海や地面が太陽の熱によって温められる。
②海や地面に含まれる水分が温められることで蒸発する。
③蒸発すると液体が気体に変化する。(水が水蒸気に変わる)
④気体は軽いため、上へと向かう大気の流れ(上昇気流)に乗って上昇していく。
⑤地上と比べて上空は冷える。(山に登ると寒くなっていくのと一緒)
⑥上昇した水蒸気は上空で冷やされて、水のつぶに変わる(水蒸気が水のつぶに変わる)
⑦水のつぶの集合体が雲となる(雲の発生)
⑧雲に含まれる水のつぶ同士がくっついて質量が増える(重くなる)と上から下に落ちる
⑨この上から下に落ちてくる水のつぶの塊が『雨』
どうでしょうか?
この原理を理解すると、赤道上にあって太陽光がめちゃくちゃ当たる熱帯は雨が多くなるのも必然であることがわかるかと思います。
①の手順をみても雨が降る仕組みの第一歩目が『太陽の熱によって地表や海が温められること』ですからね!
熱帯が暑くて雨が多い理由がこれでわかったかと思います!
熱帯っていい気候?悪い気候?
熱帯の大まかな特徴はなんとなくわかったかと思います。
それでは次のステップにいきましょう。
皆さんは熱帯はいい気候だと思いますか、悪い気候だと思いますか?
それでは熱帯の細かい特徴も追加で覚えてもらいましょう。
細かいところまで見ると熱帯がいい気候なのか、悪い気候なのかがなんとなくわかってくると思います!
ラトソルという赤い土壌を形成する
皆さん、地面というと、茶色を想像しますよね。
実は熱帯の地面って茶色ではなく、赤色なんです。
その理由は栄養分の少ない錆びた土壌だから。
少し詳しく説明していきます!
まず大事になってくる要素が降水です。
先ほどの章で、熱帯は降水が多い地域であると述べました。
「恵の雨」って言ったりすることもあるので、なんか雨が降るっていいことのように思いますよね!
でも違うんです。
適度に降る分にはいいんですけど、降りすぎるのはよくないんです。
なぜなら大量の雨が土壌の養分を根こそぎ落としてしまうから。
大量の雨が本来必要なはずの大事な養分を洗い流しちゃうんですよ。
人間も1日に何回もお風呂に入っていると必要な油分まで洗い流してしまい、かえって良くないらしいですからね。
そして土壌に残されたのは大量の雨でも分解されない鉄分のみ。
この土壌の鉄分が熱帯特有の高温によって錆びていってしまうんですね。
こうしてできた赤色の栄養のない(地理では肥沃度が低いと表現します)土壌をラトソルと言います。
それでは次の項目に参りましょう!
熱帯地域では焼畑農業が盛んに行われている
皆さんは焼畑という農業を聞いたことはありますか?
焼畑は地面に栄養分がないところで実施される農業なのです。
それでは少し解説していきます。
熱帯は大量の降水によって土壌の栄養分が失われてしまっている状況であると先ほど説明をしました。
熱帯の場合、その失われた栄養分は自然に補給されることはないんです。
それはなぜだか分かりますか?
それは栄養分となるはずの落ち葉が熱帯には存在しないから。
熱帯は年間を通して大量の雨が降ります。
そして熱帯はずっと太陽の光が当たっているのです。
常に太陽の光を浴び、常にたくさんの水を浴びる木々は枯れることなく、ぐんぐん成長していきます。
当然ですが、木々が枯れないと葉が落ちません。この落ち葉には実は重要な役割があるのです。
それが土壌の栄養分になるという役割です。
重要な土壌の栄養分である落ち葉がないということは栄養が補給されないってことなんです。
(熱帯には数多くの常緑広葉樹が生い茂っています。この常緑というのは書いて字の如く、常に緑が生い茂っていて枯れることがないという意味になります。)
『枯れない』って一見すると良さそうに聞こえるんですが、熱帯のように裏目に出ることもあるんですね。
覚えておきましょう!
話を元に戻します!
熱帯のような栄養分がない上に、栄養補給もされない土壌ではなかなか農業が行えない。
そこで考えたのが足りない栄養分を人間の手で足してあげたらいいんじゃないかという解決策でした。
足りない栄養分を補うためにどうしたか?
なんと草や木を燃やした後にできる灰を肥料として活用したのです。
要は『落葉の代わりとなるものを自作した』ということですね!
おそらく昔は肥料などもそこまで発展していなかったのでしょう。最も手軽で簡単に手に入る肥料が草木を燃やした時にできる灰だったのです。
確かに草木灰を肥料として利用すれば、熱帯地域でも農業が可能になるかもしれません。
ですが、焼畑農業は土壌にダメージを負わせています。
想像してください。
あなたは体調不良で鍼治療に来ています。
今からちょっと熱いものが上から落ちてくるけど、体は元気になりますからね〜
そしたら急に大量の灰(高温)が背中の上に落とされました。
あっちぃ!
当然皮膚は火傷します。
これが焼畑です。笑(やっていることは一緒です)
以上のことをまとめると
①熱帯は大量の降水の影響で土壌中の養分が分解されてしまう
②熱帯の樹林は葉が落ちないため、栄養素が補給できない
③焼畑により土壌の養分は増えたが、その代わり地力が低下してしまった
熱帯は土壌としてはあまりいい状態であるとは言えないみたいですね。
熱帯の種類
最後に熱帯の種類について説明をしていきます。
熱帯は細かく分けると3種類あります。
その3種類が
①熱帯雨林気候(Af)
②熱帯モンスーン気候(Am)
③サバナ気候(Aw)
となります。
それではまずアルファベットから簡単に説明していきましょう!
気候区分のアルファベットの覚え方
気候区分はアルファベット2文字か3文字で表記することができます。
例えば熱帯の『Af』とか砂漠気候の『BW』とか、湿潤温暖気候の『Cfa』とかです。
まずは1つ目の原則を覚えましょう。
2つ目以降の文字が小文字ならば植生がある地域で大文字ならば植生がない地域である。
そもそも気候区分を考えた人はケッペンという人物で、この人物は植生(書いて字の如く植物が生きられる環境かどうか)によって気候は分けられると考えました。
なので気候を見分ける最初のポイントは『植生があるかないか』なのです。
それでは具体的に気候区分を見ていきましょう。
☆植生がある地域 → 熱帯(A) ・ 温帯(C) ・ 冷帯(D)
★植生がない地域 → 乾燥帯(B) ・ 寒帯(E)
それでは教科書を開いてみてください。
おそらくどの教科書にも気候区分の一覧が載っているページがあるはずです。
熱帯(A) と温帯(C) と冷帯(D) は2文字目もしくは3文字目が全て小文字になっているはずです。
そして乾燥帯(B) と寒帯(E) は2文字目も大文字になっているはずです。
植生の有無がしっかりわかっていれば大文字小文字の判別は楽勝ですね!
Afの『f』の意味
先ほど、熱帯は3種類存在すると言いましたが実際に覚えるのは2つで構いません。
覚えてほしい2つの気候区分は『熱帯雨林気候』(Af)と『サバナ気候』(Aw)です。
※モンスーン気候(Am)はこの2つの中間みたいな認識で構いません。
※Amの『m』は『middle(日本語:中間)』だと覚えておきましょう!
それではまず『熱帯雨林気候』(Af)から説明していきましょう。
熱帯雨林気候はアルファベットでAfと書きます。
当然頭文字の大文字Aは熱帯を示す『A』です。
では2文字目の小文字『f』は何を意味するのでしょうか?
小文字の『f』は『full time』(フルタイム)だと思ってください。
『full time』は“ずっと〜”という意味になります。
何がずっとなんですか?
ずっと雨が降っている気候帯ということですよ!
実は2文字目の小文字が示すもの、、、、それは降水量なんです!
まとめましょう!
熱帯雨林気候(Af)は熱帯(A)の特徴を持ち、年中ずっと雨が降る(full timeのf)気候区分である
この理屈(小文字fはずっと雨が降る特性を示す)は植生のある気候区分(熱帯・温帯・冷帯)全てに当てはまります。
基本として覚えておきましょうね!
Awの『w』の意味
それでは次の気候区分、サバナ気候(Aw)を確認していきましょう!
先頭の大文字Aは熱帯を示す『A』でしたね。
それでは2文字目の小文字『w』は何を意味するのでしょう?
ヒントは先ほどの『f』の時と同様に降水量に関する内容です。
正解は『winterのw』でした!
『winter』は日本語で“冬”という意味ですよね。
それでは冬と降水量を結びつけていきましょう。
結論から言うと小文字『w』は“冬に乾燥をする”ことを意味します。
夏の間は降水量が増えるが、冬になると降水量が減ってしまう(乾燥する)気候がサバナ気候なのです。
冬が乾季にあたるため、草木の成長がそこで一旦ストップします。
そのため、ずっと雨が降り草木が生い茂る熱帯雨林気候と比べて、サバナ気候の草木は短い傾向にあるのです。
では「なぜ冬に乾季がやってくるのか」、そのメカニズムについて簡単に説明したいと思います。
これからする説明を理解するためには気圧について学んでおく必要があります。
まずはこちらの記事を読んでみてください!
気圧の基礎知識はみなさん大丈夫でしょうか。
それではこちらの図をご覧ください。
サバナ気候は赤道よりも少しだけ高緯度に位置します。
上の図を見てもらえたらわかると思いますが、サバナ気候が分布するエリアは赤道付近の熱帯収束帯の影響も受けますが、同時に亜熱帯高圧帯の影響も受けるエリアでもあります。
これが冬に乾燥する主な原因となります。
気圧のおさらいです。
高圧帯は下降気流が発達する地域で、下降気流では雲が発生しません。
雲が発生しないということは雨が降らないということ。
つまり、冬に亜熱帯高気圧の影響を受けるサバナ気候は冬に雨が降らない、つまり乾燥する気候となるのです。
サバナ気候がなぜ冬季に乾燥するか、理解できたでしょうか。
前提条件となる気圧はこれからもかなり重要になってくる単元なので、そちらの内容もしっかりと覚えるようにしてくださいね!
本日のまとめ
熱帯は赤道上にあり、太陽の光を浴び続ける地域である。
太陽の熱を浴び続けることで多量の雨が降る地域でもある。
多量の雨により地中の養分が分解され、肥沃度の低い土壌(ラトソル)が形成される。
熱帯は年中暑くて年中雨が多い熱帯雨林気候(Af)と、年中暑いが冬に乾季を迎えるサバナ気候(Aw)の大きく2つに分類することができる。
今日も最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。
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自己紹介 好奇心旺盛な社会科教師