今日は、高校公民の学習法について考えてみたいと思います。
公民という科目を『公民とはどのような科目か?』・『公民の学習法』の2本立てで説明したいと思います。
公民とはどのような科目か?
公民というと皆さんはどのような教科を想像しますか?
おそらく1番に上がるイメージは政治なのかなと思います。
実際に高校の公民では政治経済というテーマを学びます。政治は公民を学ぶ上で避けては通れない分野であることは間違いありません。
しかし、公民=政治ではありません。
私なりの解釈で言えば、公民とは
個と世界とを繋ぐ教科
であると言えます。(すみません。だいぶカッコつけました笑)
それでは具体的に書いていきましょう。
- 個人を学ぶ…自分とは何かを考える(=倫理)
- 相手のことを知る…対相手とのやりとりを考える(=情報化社会・経済など)
- 身近な地域・国を知る…日本の政治の仕組みや国のあり方を知る(=政治)
- 世界を知る…世界で起きている諸問題について考える(国際政治・国際経済)
このように見てみると公民は非常に多岐にわたる分野を学習する科目であるということがわかるのではないかと思います。
その中でも特徴的なのが『倫理』で歴史や地理にはない概念的な分野を学習する事になります。
公民という科目は倫理をはじめとして自分とは何か、また相手との関わりや様々な概念を学び、今、世界では何が起きていて、これから先、何が起きようとしているのかを段階的に学ぶことができる科目となっています。
公民の学習法
さて先ほど公民とは『個人』→『対相手との関係』→『対多数に対するアプローチ』→『自分の住んでいる地域・国のこと』→『世界で起きていること・起きようとしていること』を段階的に学ぶことができる科目であると紹介しました。
ここで私なりの公民の学習法であり、コツを教えたいと思います。
ズバリ公民の学習のコツとは
『複雑な仕組みを簡略化して理解する』ことだと感じています。
高校社会の教科書(地理・歴史・公民)を比較したとき、専門用語が最も多く出てきて、難しく(難しそうに)書かれているのが公民という科目です。
正直、公民が嫌いな人の多くが『教科書に書いてある内容が難しくて理解ができない』と感じているのではないかと思っています。
確かに教科書に書かれている内容は抽象的な概念が多く、具体的事案もそこまで多く掲載されていないため、理解しづらい部分もあると思います。(実際に私も公民分野を苦手に感じていました。)
そこで私が提案したい勉強法は『公民における複雑な仕組みを簡略化して取り入れる』というものです。
公民の教科書が難しいのは否定しません。しかしそれは『難しく書かれているだけであって、決して内容が難しい』わけではありません。
『難しい → わからない → 勉強したくない』という負のサイクルを『簡単 → 理解できる → 勉強しよう』というサイクルに変えることができれば公民の壁は突破できるはずです。
この難しく書かれているものを簡略化して捉えるためにすることは何でしょうか。それは簡単です。
難しい(抽象的な概念)を簡単(具体的な事例)に変換することです。
例えば、サルトルという哲学者は「人間とは実存は本質に先立つ」と定義しています(=実存主義)
これって非常に抽象的な内容で、何のことをいっているかさっぱり分からないですよね?
でもこのように考えたらどうでしょう。
【大前提】 実存=『実際に存在する物質』 / 本質=『目には見えない目的・要素のこと』
それではモノ(ハサミ)のケースと人間(私)のケースでそれぞれ比較してみてみましょう。
モノ | 人間 | |
実存 | ハサミ | 私 |
本質 | 何かを切りたい | 日本一の先生になる |
先に来るのは? | 本質 | 実存 |
ハサミ=何かを切りたい(本質)からハサミ(実存)が作られた
私=生まれて(実存)から色々な経験を積む中で日本一の先生になりたい(本質)と思うようになった。
こうやってみるとモノと人間で実存と本質の順番が逆になっていることがわかるかと思います。
人間とは『実存が本質に先立つ』という生き物であることが理解できたでしょうか?
このように一見難しそうに見えるものも抽象的な内容を具体化することで理解することができます。
難しそうに見える仕組みを簡略化することで理解し、公民を学習する中で幅広い知見(自身のことから世界で起こっていることまで)を身につけて欲しいと思います。
これからの公民の学習も頑張って取り組んでいきましょう!
それではまた。
自己紹介 好奇心旺盛な社会科教師